直接取引のフジカラー什器を受取に宇都宮まで遠征することになったtsubakiと蘭太くん。ボランティアおじさんのお茶目なミスでバスを間違えて目的地付近で立ち尽くす2人は無事にモノを受け取れるのか…!(詳しくは中編で!)

とほほだよ…。と思いながらGoogleマップを開き、目的地までとぼとぼ歩いていたその時、2人の目の前を車が横切りました。車内には善行という言葉しか知らなさそうな品の良いおばぁちゃんが助手席に座っていてこちらに何度も会釈を送ってくれました。

いい人オーラが強すぎてつられて何度も会釈を返す2人…。バス間違えのしょんぼりもすっかり吹き飛び、やる気を取り戻して足取りも軽やかに目的に向かいます。ありがとう!おばあちゃん…!

目的地はもう目前。手前にあった自動販売機で炭酸を買って英気を養いいざ、リサイクルショップの倉庫へ。チャイムを押してフジカラーの看板を取りに来た旨を伝えると事情通ではなさそうなお母さんが案内してくれました。「お車ですか?」と聞かれたので2人で元気よく答えます。「いいえ、新幹線です!」

取引メッセージで伝えられたとおり、梱包材も持参していたのでガレージをお借りして背負子に装備していきます。迷いのない作業を見てお母さんが心配そうに声をかけてくれました。「プチプチとかありますよ…?」持参しろっていったのにあるんかーい!!

そいていよいよ換装のとき。

あまりのインパクトからか、すでに100を超えるいいねをいただき、もう取りに行って良かったと万感の思いです。

おりしも当日の蘭太くんの装いはゴーストバスターズのTシャツ。つよい。たくさんゴースト倒せそう。

滞りなくミッションを完了し、宇都宮まで戻る2人。行きよりさらに慎重にバスに乗り込みました。でもこのままじゃ心の底から「栃木楽しかった」って言い切れない…。と、いうことで撮れ高を求めて駅からいける範疇を散策することにしました。レッツ!デス・ストランディング栃木!

※恐らく本当のデス・ストランディングはこんなゲームではありません。

満足いくまでデス・ストランディングポートレートをこなした2人は颯爽と新幹線に乗り、我が事務所のある阿佐ヶ谷まで…!

栃木レモンを購入したら売店のお母さんに「あなたたちさっきもいたわよね!何を背負ってるの?」と声をかけられました。

無事に事務所へ到着してお疲れ様気分ではありましたが、蘭太くんが唐突に叫びます。「コンセントいれて、ついたー!じゃなきゃ終われない。」

入札前情報で「電気はつきません」と絶望的なコメントはありました。でも存外メンテしたらいけるパターンはわりとあるあるなのでそのうち磨けばいっか〜くらいに思っていた私は「今日じゃなきゃ!!!」という圧を物凄く感じました。

フジカラーにまみれて、こんなにセクシーな姿勢をさらす蘭太くん。もう通電して欲しいとしか考えられない…。

ネジ穴がこそげることにも負けじとプライヤを使って分解を試みること数分、諦めかけた矢先に上部パーツのパージに成功。

「回路は生きてる気がするんだよぉ!!!」という蘭太くんを見て、「西友行ってくるね…」と私は蛍光灯を買いに走りました。

新しい蛍光灯に変えるも、一向に通電しない看板(的ななにか)。「下なの!!下側の通電が怪しい!!!」とごねる蘭太くん。膠着状態がもはや限界かも…となったとき奇跡がおこりました。

Twitterで見ていた方にはわかるはずないくらい大奮闘の末、見事「通電しません。だから100円。現地引き取り限定」と名打たれていた看板が見事輝いたのです。

「今日いろいろあったけど、枕を高くして寝れることは間違いない!!!」という蘭太くん。最早祝杯をあげる以外の選択肢はありません。

いつ飲まれるかわからないまま冷やされ続けていた事務所の祝杯ストック、シンハーで乾杯しました。

シンハーを飲みながら、まさかの三編にも渡ったこの日のことを思い返します。大変だったけど楽しかったね…と。そして疲れたまなこでうちの事務所を見渡します。「富士フイルム…。なんなの…。」

そこで私はすかさず蘭太くんに手当たり次第に手の届く範囲で掴めるフジカラーのノベルティのプレゼンを行いました。「調べれば調べるほど、訳のわからないノベルティが現れる…。気になって仕方ない…。」と。

シンハーの影響もあったのか、蘭太くんは薄々感じていた富士フイルムの、中でもかなり特殊な角度の魅力に気づいてしまいました。

言い得て妙だけど、深淵を得たりというほどいい言葉。「フジカラーハイ」。

調べれば調べるほど「だって我々はフィルムメーカーだから!!!」と一貫してブレることのない富士フイルムが行ってきた施策の数々…。一見理解が及ばないノベルティや、写真機普及の黎明期の「おおらかな時代ってもんがありまして…」の頃に量産された品々。今世代の(デジタル)カメラが云々ではなく、80年以上「フィルムメーカーだから」と突き進んできた富士フイルムの面白さに、またひとりの若者が気づいてしまった瞬間でした。

フジカラーハイに取り憑かれた蘭太くんは、無事に帰宅した後、いてもたってもいられずか、ネットで発見したフジカラーの謎ノベルティのURLを送ってきてくれましたが、それは私が2年前に「これなんだよ!!!」というものがほとんどで、「ごめんwwwうちにあるwww」というものばかりでした。私の無駄に気になることはとことん追求気質が1人のオタク男子をうっかり富士フイルム沼に、しかも変なベクトルで突き落とした瞬間でした。がんばれ蘭太くん、負けるな蘭太くん。私と一緒にまだ見ぬ富士フイルムを探しにいこう。

蘭太くんがこの後どうなるかはわかりません。しかし、私が富士フイルムが面白すぎて…!と方々で話す結果、至る所で「フジカラーハイ」なるものが生まれているのも事実。

いかがでしたでしょうか。フィルムメーカーだから!!!とフィルム的な写りを追求したフィルムシミュレーションだったり、最新の業務用スペックを求めたカメラ&レンズを日夜研究開発し続けている富士フイルム製カメラを使っている方々に、最早そんなところではなく、フィルムメーカーだから!!!とただただブレずにやってきた富士フイルムの魅力に取り憑かれた私の富士フイルム愛と、それに巻き込まれた一般成人男性の末路をお楽しみいただければ嬉しく思います。