私が富士フイルムにそこまでハマった経緯ってなんですか?

私が富士フイルムを好きすぎるあまり、いろんな人に聴かれてきた。ぎゅっと凝縮して端的に説明すると、やばい奴がやばい奴の真のやばさに気づいた。そんなところだ。

私がやばい訳ではない。富士フイルムが良い意味でクレイジーなのだ。今思い返せばX-T30と出会ったときも「ついて来れる奴だけついてこい!」みたいなオタク独特のシンパシーを感じたのが始まりだった。

X-T30との出逢い

なんやかんやでカメラでの撮影から離れていた私が、デジカメってやつを改めて始めるか。となったときそれまで自分の中でこだわってきた撮って出し撮影にむいてるカメラを作っていたのがFUJIFILMだった。

色表現にこだわりたい人はFUJIFILMかPENTAXで悩み、当時まだサードパーティ製のレンズも少なくFUJIFILMは純正レンズの選択肢しかなく運用コストを考えると断念せざるを得ないケースもあると聴きそんなところも含めて「なんかかっけぇから決めた!」とあっさり予約したのを覚えている。

当時仕事ではCanon機を使っていたものの、液晶で設定をしないといけないデジカメ特有の操作感があまり好きではなく、カメラでの撮影はできるからやっている程度だった私はデジカメの常識に疎かったので、そこからよく使い方なんかを聴きに家電量販店に遊びにいくようになった。

FUJIFILMを背負って働く人はFUJIFILMが好き

富士フイルムくらいの会社になると、入社できたから働いてるだけという人やフィルムに興味のない人も少なからずいるだろうけど、FUJIFILMを背負って働いてる人たちは本当に写真が好きな人も多いし、こだわりが強い人も多く、そして優しい。

それまで「カメラをやっている」人たちと交流することはあったものの、私が変わり者なのか話が噛み合うこともなく、設定と機材の話より写真をどう撮るのかとか、何にこだわって撮ってるのかの話をしたかった私にFUJIFILMで働く人たちはいろんなことを教えてくれた。

どんな理念でXシリーズが作られてるのか、どんなカメラを作ってきたのか、なにを大事にしているか、昔作った機材が当時どれくらいワクワクするものだったのか。

さらにFUJIFILMで働く人たちは私のとんでも質問にも一生懸命答えてくれた。調べても出てこないCCTVレンズの質問にはわざわざ大宮事業所に当時を知る人がいるかもしれない!と電話をかけてくれたし、今はなきImaging PlazaでAXマウントのことを聴いたときもあのスタッフなら答えられるかもしれないからちょっと待ってて!と手をつくしてくれた。私がとんでもクレーマーにならずにすんだのはFUJIFILMで働く人たちのおかげでしかない笑。

富士フイルムBI グリーンエルクスの撮影に関わることになったときも「前回こられた時にラグビーの撮影をするっておっしゃってたのでちょっと調べたんですけど…」とシャッタースピードや望遠何mmくらいが良さそうとかを教えてくれた方もいた。

相性というものもあるかもしれないけれど、FUJIFILMで働く人たちは私に優しくしてくれた。それよりもっと好きになったのは私の撮影スタイルを「そのままで良いよ」って教えてくれたことだった。

写真は残すことに意味がある。

私はスナップが好きだ。ポートレートもスポーツの撮影も根幹は残しておきたい瞬間にシャッターを押すこと。可愛い写真もカッコいい写真もそのときの空気感や温度感も含めて写真を撮りたいと思っているのでピントが合ってなくても良いと思えば採用する。

残したい写真は人それぞれで、奇跡の一枚を撮るために何百、何千とシャッターをきって作品作りにする人はそれはその人のこだわりだ。

私はフィルムカメラをちょっと嗜んでいたせいなのか「今」「今」を撮るのが好きなのでカメラに搭載されてる連写モードはほとんど使わない。

それが偉いわけでもすごいわけでもなくて、ただカメラの性能を活かしきれていないだけの話なのだけど私がそうしたいからそういう撮影スタイルでいてる。

それだけのことなのだけど時にポートレートはこう、スポーツ撮影はこう、という人がいて「私はそうじゃないので」と説明するのも面倒になることがあっても「tsubakiさんの写真は何撮ってもスナップのスタイルがぶれなくて良いですね」といってもらえたりした。

変わり者で共感してくれる人が少なかった私にとってはFUJIFILMと出会って、Twitterを始めて、いろんな人に私の写真が好きだといってもらえるようになったのでFUJIFILM様々である。

優しさだけじゃないFUJIFILMとの邂逅

そんな感じでFUJIFILMが優しくしてくれたおかげでFUJIFILMが好きになった私は写真機での撮影とFUJIFILMにどんどん興味を持つ。

カメラのことに疎い私は新機種レビューの「当社比」という表現もピンとこず、調べていくうちに「よくわかんないから最初からいこう!」とFUJICA SIXから調べだすこととなる。いろんなカメラ店でみかける歴代カメラ遷移図的なポスターにFUJIFILM版がなかったので作りたいと思ったのもわりと大きな要因だ。

それに加えてこの頃オールドレンズというものを知ってマウントの種類なんかわからず手当たり次第にみたことのないレンズを買って変換アダプター地獄に陥っていたのでFUJINONに絞ろうと決意したというのもある。

見たことのないFUJINONレンズ。中判大判用レンズに引き伸ばし用レンズ、報道業務用B4マウントにCCTV。FUJINONレンズに絞ったところで謎は深まるばかり。

このFUJINONたちは一体何なのか、なぜこんなにバリエーションにとんだFUJINONが散見するのか。

調べていくうちに当時の歴史的背景とFUJIFILMが築いてきた歴史を紐解くこととなり、FUJIFILMの面白さに気づくことになったのだった。