国家大義をかかげて国産フィルムの開発研究に奔走したFUJIFILM。総合写真工業会社を目指して光学ガラスからレンズ、カメラの製造にも着手し、アマチュア写真需要の拡大に尽力する。
ストイックすぎるフィルムメーカープライド
現在ではなぜトータルヘルスケアカンパニーに?と思う方もいるかもしれないが、1950年には戦後結核の早期発見のためのX-rayフィルム、被ばく線量を測定するためのバッジフィルムなどの開発も行い、医療分野への進出もはじめ、総合写真感光材料メーカーとして国内トップとなった1960年代以降は写真関連分野の拡大、銀塩感光材料に代わる新しい写真法についての調査・研究、さらに情報記録の観点から新しい分野の研究開発にも着手し、多角化への道も開き始める。
誰でも気軽に写真を楽しめるように尽力してきたFUJIFILMは、真面目に全方位的なフィルムニーズを満たすため映画用シネレンズや報道用レンズ、プロカメラマン向けの中判カメラ&レンズや大判レンズ(写真館で使われるようなもの)も研究開発してきている実績があるのだけれども現在の写真機ファンにとっては写真機を作っているメーカーというより「写真現像してくれるところ」くらいの認知にとどまっている。
どこかのYouTuberさんが「フジは動画用レンズの選択肢が少ないから頑張ってほしい」みたいなコメントしていたのを見て、いやいやプロ向けの動画レンズでは報道界隈ではちゃんと認識されていて、なんならそのクオリティのレンズをアマチュア向けにチューニングしたMKシリーズ(業務用シネマ用レンズをXマウント化したもの)が用意されている。
FUJIFILMのカメラは色味は良いけどフルサイズがないのがたまにキズ、という人たち向けにもプロがうなるレベルのフルサイズよりも大きいラージフォーマットというGFXシリーズが用意されている。
知ろうとしなければ当然知らなくても仕方ないレベルで広く一般の人が手軽に写真を楽しめるカメラ作りとフィルム消費に尽力してきて、それを実現しているのだからFUJIFILMは恐ろしい。
這い寄るFUJIFILM
フィルムメーカーとして走り続けるFUJIFILM。写真をより身近に、手軽に消費してもらうためなのかどうかは定かではないものの様々な施策を繰り広げる。ただそこにあるのが当たり前のレベルにフィルム消費を浸透させてなんだかよくわからないノベルティにもFUJIFILMの歴史を紐解いて理解していれば納得せさるを得ない理由がきちんとある。
日本第一号のコンピュータをFUJICを開発したのもFUJIFILMだ。より良い撮影環境を整えるためのレンズ設計をするためにパソコンの開発にまで踏み切った。それもこれもフィルムを消費してもらうために帰着する。
そこを突き詰めて写真文化のこれからを考えて1989何には国内初のデジカメ、フジックスメモリーカードカメラDS-Xを世に出している。
この辺りからフィルムメールとして培ってきたFUJIFILMが写真文化にどう寄り添うかを意識していたように思えて仕方ない。
もしもこのブログを読んでるみなさんが実家に帰ったときにちょっと探してみてもらえれば何かしらFUJIFILMやフジカラーのロゴがついた何かをみつけられるはずだ。
そうしてうっかりみつかってしまったものが保護の名の下に私のところへ集まってくる。
振り返ればそこにいるフジカラーの「我々はフィルムメーカーだから!!!フィルムを消費してもらえる可能性があるならなんでもやるから!!!」という狂気とも思えるストイックさに私は面白さと尊さを感じざるを得ない。
そんなFUJIFILMの狂気を私のコレクションの一部ではあるが感じてもらえたら嬉しい。
画像には補足説明を追加してあるので興味がある方は画像タップをしてみてほしい。
わかる人だけわかってくれればそれでいい。
それでも愚直にフィルム消費を促す施策をし続けて、さらにはその施策の中で身につけた技術を発展させて今のFUJIFILMがあるのだとしたらその真面目さと不器用さが愛おしくて仕方ない。
誰でも気軽に写真を撮れるカメラを今の時代になるまでに追求した結果1996→2004何に排出したデジカメでトランプがつくれるほどカメラを出している。
フィルム消費を促す中で記録や思い出を残すことを大切に思い「手軽なカメラ」を排出してきたFUJIFILMは写真機メーカーとしての認知は低いかもしれないがその功績は偉大だと私は思う。
心無い人が私はFUJIFILMが大好きで!!!という話をすると「最近では化粧品とかもつくってますよね〜」といわれるので、全力で「もちろんアスタリフト使ってるし、なんならシャンプー&コンディショナーも使ってますよ!!!」と切り返すくらい薄く好きなのではなくきちんと理解してる上で箱推ししたい。
FUJIFILMが好きすぎてFUJIFILMになりたい。
それはその愚直さや経営面から見る正しさも含めて憧れのような気持ちにさせてくれるから出る言葉だ。
FUJIFILMにはなれなくても株主くらいにはなりたいのだけれども、業績が右肩上がりで株価がなかなか下がってくれないのでFUJIFILMの株主になるべく案件を受託させていただきたいと思う今日この頃である。
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